毎年8月12日から8月15日の4日間開催されている徳島市の阿波踊り。
今年は台風10号が接近するため、後半の2日間が中止になることが発表されました。

とはいえ、まだ14日の夜はさして台風の影響が感じられず、静かで穏やかでした。
大阪から来ていた友人と、せっかくなので夜の街に繰り出してみました。

まずは「はやしのお好み焼き」で腹ごしらえ。
さすがの人気店は、阿波踊りが中止でもほぼ満席で賑わっていました。

そして本来なら踊り子たちで賑わう街の中心部へ。
両国橋の上から両国演舞場方面を見た風景はこんな感じ。
昨夜はたくさんの踊り子や観光客で賑わっていたのに、誰もいません…。

新町川沿いを歩いていると、鳴り物の音が聞こえてきました。
音の鳴る方へ歩いて行くと、藍場浜公園に有名連のひとつ菊水連の方たちがいました。
菊水連はいつもこの辺りで練習をしているので、どうやら有志の連員が集まっていたよう。

奥の方から、さらに鳴り物の音が聞こえてきました。

観客席に誰も座っていない藍場浜演舞場で、
牛柄のコスチュームを着て楽しそうに踊っている人たちが!
ホルスタイン連の人々。
https://t-holstein.club/

なんだなんだ、このノリのいい愉快な人たちは!?!?


周りで見ていた人たちも、どんどん踊りの輪に入っていきます。

遠巻きに見ていた香港から来たという双子の姉妹とそのご家族。

姉妹たちも、はにかみながら踊りの輪へ。


偶然居合わせたカメラマンに声をかけ、みんなで撮影。
私たちもちゃっかり記念撮影に参加させてもらいました。


ホルスタイン連は今から約35年前につくられた徳島県内外の有志によってグループとのこと。
“見る阿呆のベテラン”を自認する私もこれまで知らなかったけれども、
とても気さくでアットホームな連で、ファンになりました。


普段はとある神社の神主さんを勤めているという連長さん。
このあと新町橋の方でも踊るというので、ついていきました。





鳴り響く二拍子のリズムに誘われて来た人たちも、どんどん輪の中に加わっていきます。

何人かの海外からの観光客と話す機会を得ることもできました。
わざわざエジプトから来たというカップルは、
「英語での情報が少なく、
今目の前に起こっていることがなんなのかさっぱりわかず困惑している」と。

拙い英語ながらも、台風で中止になったことを伝え、
これは阿波踊りを愛する有志たちが持て余したエネルギーをぶつけるため
自発的に踊っているのだということ、
そして、私は地元に長年住んでいるけれども、
こんな光景を見たのは初めてだし、もしかしたらむしろラッキーかもしれないと、
励ましになってるのかなってないのかわからないけれども、
思っていた本音を伝えさせてもらいました。
この日のできごとが、少しでもいい思い出となってるといいのだけれども。


しばらくすると、
さっきいた藍場浜公園の方から響く音が大きくなってきたので足を運んでみると
先ほど出会った菊水連の踊り子さんたちが美しい踊りを舞っていました。

そして、こちらでも踊りの輪に加わる人たちが続々と。

浴衣を着たフランス人女性は、プロのダンサーなのだとか。
さすがのリズム感です。

それを温かく見守り、撮影するご家族たち。

しばらくすると警察が来てしまいました。

ハイタッチする、菊水連の踊り子さんとフランス人ダンサーさん。
ブレボケでひどい写真だけど、好きな一枚です。

踊りの音に誘われて取材に出てきたという、新聞社の記者の取材を受けていました。

私のカメラにもしっかり目線を送ってくれました。
このあと連絡先交換をして、写真を送る約束をしました。


阿波踊りはそもそも盆踊り。
お盆に帰ってきた祖先の霊たちを迎え送るための念仏踊りとして始まった宗教行事で、
誰もが参加することができ、
祖先への思いを馳せ供養するための踊りだったはず。

“見る阿呆のベテラン”を自負する私も、
時代を経て進化した阿波踊りの美しく芸術的な側面ばかりに目が行きがちだったけれども
この日のできごとを通して、
その原点となるパワーを感じることができたような気がします。

中止になったことは残念だったけれども、
この後真夜中から吹き荒れた台風のことを思うと懸命な判断だったと思います。

そして、台風で中止になったからこそ
貴重なシーンをみることができて、
私自身の”阿波踊り観”も大きく変わる、ターニングポイントとなりました。

とにかくとても思い出深い夜となりました。