「もういいかい?」
「まあだだよ」

昔ながらの下町風情が残る町の小さな公園に、
かくれんぼをする父子の声が響く。

「もういいかい?」
「もういいよ」

キョロキョロとあたりを探す女の子。
木に隠れているお父さんは、
みつからないように立つ位置を少しずつ変えながらも
やさしい眼差しはずっと娘の姿を追っている。

「ああ、私もこうやって親に見守られながら育ってきたんだ」
と、ほわっとあたたかい気持ちになった。

ベンチに腰掛けて見ていたおじいちゃんは、
どんなことを思っていたんだろう。

五月晴れの、子どもの日の朝。