Pecograph

a day in my life

Menu Close

Tag: 富山 (page 1 of 3)

ハナミズキが満開

美味しいお蕎麦をいただいた「神通町 田村」のある通りは、
ちょうどハナミズキが満開でした。

この日も快晴。
春から初夏へと移ろう季節ならではの、日差しの強さも感じました。

神通町「田村」

旅先で美味しい蕎麦屋を探すのが、この頃の旅の楽しみのひとつです。
蕎麦が好きだというのも理由のひとつだけれども、
蕎麦前でその土地の食材を使った料理や、地元のお酒が愉しめるから。

富山で目をつけていたのが、神通町にある「田村」。
http://www.j-tamura.jp/

水墨美術館を訪れた後、
開店時刻に合わせて訪れたにも関わらず、既に満席。
さすがの繁盛店ぶり。

順番待ちのため1時間ほど時間を潰して再訪すると
洒落たインテリアの落ち着いた店内に案内してくれました。

蕎麦前には白海老とホタルイカの天ぷらと、
富山の酒蔵「三笑楽」の純米酒をオーダー。
富山の錫プロダクトブランド「能作」の錫の片口に入れてでてきました。
つきだしに出された春の山の幸こごみの
ほろ苦い味わいもお酒によく合います。
蕎麦好きの酒呑みの好みのツボを押さえています。

こちらのお店では、
打ち粉にもつなぎにも小麦粉を全く使わない
純十割蕎麦のみを提供しています。
そして、
蕎麦粉の産地で蕎麦を選ぶことができるという、こだわりぶり。

北海道、越前蕎麦の福井、九州とさまざまな産地に目移りするけれど、
ここはやはり地元富山産をセレクトしました。

つやつやで、見た目にもべっぴんさんのお蕎麦を、
はじめは酵素塩でいただいて風味と香りを愉しみます。

そして、出汁につけていただき、
最後は山椒香味油を少し垂らしていただきました。

〆の蕎麦湯も好みのとろみ加減で、至福のひととき。
後から振り返ると、もう一枚違う産地で頼んでいてもペロッといけたかも。
それだけがちょっと心残りです。
でもまた機会があったら来たいと思う、良き蕎麦屋でした。

お会計を済ませて外に出ると、さっきよりも更に行列が伸びていました。
評判の蕎麦屋はできるだけ開店前に店に並ぶのが鉄則だと、改めて思いました。
ごちそうさまでした。

 

富山の道幅が広い理由

2日間かけて、富山の市街地を徒歩と自転車で探索してみて感じたのは、
とにかく道幅が広くてゆったりしていること。

歩道も自転車用レーンと歩行者用レーンが分かれているし、
中央分離帯に植えられた街路樹は、街の表情を豊かにおおらかに見せてくれます。

旅で出会った人にそのことを話すと、
富山市内は第二次世界大戦の大空襲で市街地の99.5%を消失し、
これは広島・長崎の原爆を除いて、地方都市としては最大の被害だったため、
戦後ゼロから都市計画を行ったからだ、ということを教えてくれました。

路面電車のある風景とか、ゆったりとした道路が多いこととか
どことなく広島に少し似ていると感じたことにも、
ちゃんと理由があったのですね。

 

富山県庁前公園

水墨美術館を堪能した後、
神通川の土手の下にある評判のお蕎麦屋さんへ向かいました。
開店予定時刻の5分後に訪れたのにも関わらず、店の前にはすでに行列が…。

どうやら名簿に名前を書いて順番待ちをすることになっていて、
この様子だと1時間ほどの待ち時間になるとのこと。
この時間がもったいないので、自転車で前日歩いた街中を探索することにしました。

富山駅から南へ伸びる路面電車のある道沿いを走っていると、
大きな噴水が目に飛び込んできました。
富山県庁前公園。

こんな立派な噴水を街中で見たのは久しぶりのような気がします。
公園内には花時計もあって、ほどよく木陰もあって、
ベンチで腰掛けて休憩している人が気持ち良さそうでした。

こじんまりと、魅力的な公園だと思いました。

神通川

富山市街地から西側に位置する水墨美術館へは、神通川を渡って向かいます。
道中見かけた神通川河口の風景。
四国徳島に住む私にとって、
南から北へと流れ海へと注ぎ込む川の風景はとても新鮮です。

「神通川」について知っているのは
“イタイイタイ病”が発生した地域であるということくらい。

けれども、
目の前に広がる風景はとてものどかで、
かつてこの流域でそのような公害が起こったことなど微塵も感じさせませんでした。

改めて”イタイイタイ病”について調べてみると、
岐阜県飛騨にある鉱山から排出されたカドミウムが神通川の水や流域を汚染し、
この川水や汚染された農地に実った米などを通じて体内に入ることで引き起こされたそう。

戦争と急激な工業発展がもたらした哀しい公害。
この原因が分かるまでは、根も葉もない風評被害が起こり、
地域の人たちは風評被害や差別を受け、苦しい時代を過ごしたそうです。

住民と公害の原因を引き起こした企業 、そして行政が長年に渡って力を合わせて
水質を調査し、汚染された農地の改善工事を行うことで
美しい水と大地を取り戻すことができたのだとか。

教科書で学ぶだけだった遠いできごとを、
令和となった新しい時代にほんの少し身近に感じることができました。

子ども向けに富山県が作ったこの資料がわかりやすかったです。

よみがえった美し水と豊かな大地
〜イタイイタイ病に学ぶ〜
http://www.pref.toyama.jp/branches/1291/news/syougakusei-hukudokuhon.pdf



富山県水墨美術館

北陸で“アートの街”といえば、
SANAAが設計した21世紀美術館のある金沢を思い浮かべる人が多いと思います。
私もそう思っているひとりでした。
けれども富山を訪れて感じたのは、
富山も金沢に負けずと劣らずアート散策が楽しめる街だということ。

ガラス美術館、富山県立美術館、樂翠亭美術館など
魅力的な美術館が富山市内にはいくつもあり、
その日の気分で行き先を決めることができるのは、
美術館巡りをするためだけに1週間滞在したパリでの感覚を思い出しました。

富山の旅2日目は、まず富山県水墨美術館へ向かいました。

この時催されていた企画展では
水墨画家の新井恵子さんが地元の子どもたちを対象に行ったワークショップで
子どもたちと一緒に作り上げた作品たちが展示されていました。
これまでの水墨画のイメージを覆すような
親しみやすくかつモノトーンでスタイリッシュな作品たち。

使う紙や墨、筆によって
さまざまな表情が出せるということ、
そしてとても自由な表現方法なのだということを知りました。

新井さんの作品で印象に残っているのは、藍の廃液をつかって描かれたもの。
よくみると、ほんのり藍の色を感じます。

常設展示展や富山出身の水墨画家 下保昭の作品も見応えがあって、
水墨画の魅力の一端をほんの少し感じることができました。

中庭の真ん中には大きなしだれ桜の木があって、
美術館のすぐ向こうにある神通川の土手沿いのソメイヨシノの桜並木を借景に、
春には見事な桜景色を楽しめるのだそう。


このお茶室は、数寄屋建築の第一人者であった中村外二棟梁が最晩年に手がけたもの。
中村外二も富山県出身なのだとか。


建物の外にある庭園は無料で誰でも通り抜けることができて、
地元の人が犬を連れて散策していた風景が印象に残っています。
美術館の中をこうやって通り抜けできるのは
21世紀美術館に似ているなと思いました。

富山県水墨美術館
http://www.pref.toyama.jp/branches/3044/3044.htm

不案内でわかりにくい!
富山のレンタサイクル

トラムとバスと徒歩で探索した富山の旅の1日目。
市内中心部のいたるところでレンタサイクルのポートを見かけました。
泊まっていたホテルの目の前にもサイクルステーションがあったので
2日目は、このレンタサイクルを使ってみることにしました。

が…
このサービス、とにかく不案内!!
借りる時から、借り終えた後までイライラさせられっぱなしでした。

まず、借りるために必要な情報がわかりにくい。
サイクルステーションに案内板のようなものはあるものの
「詳しくはwebで」と書かれているだけで、
その肝心のwebサイトがものすごくわかりにくい!!!
http://www.cyclocity.jp/

そもそも、どのような料金体系になっているのかもわかりづらい。
駅で見かけたリーフレットには
“1日350円”と書かれていたのにも関わらず、
サイトには「7日パス・2日パス」の情報しか載っていない。
仕方がないので「2日パス500円」をクレジットカード決済しました。

そして、会員登録をしないといけないのだけれども、
会員登録の画面も使い勝手が至極使いづらい…!
かなりいろんなwebサービスを使い倒している私でさえ難儀するフォームの作りで、
登録し終わるまでにかなりの時間を要しました。
旅人にとって時間は何よりも貴重だというのに。

次に、驚いたのは、
もっとも観光客の利用が増える日曜祝日にサービスセンターが休んでいるということ。
サイクルステーションに停めた自転車を取り出そうとしても
タッチパネルがフリーズして動かないできごとがありました。
そこで、自転車に書かれた電話番号に電話すると「本日は休業日です」とのアナウンスが。

…おいおい!!!
いろんなことが不案内な上に、
サポートが必要な肝心な時に電話がつながらないなんて…。

そしてさらに驚いたのが、
旅から帰ってびっくりする金額の利用料の請求がメールで届いたのです。

利用日1日目—6,200円
利用日2日目—1,200円
——————————-
合計7,400円

???
慌ててメールに記載されたサポートセンターに電話をしました。

すると、
「2日500円」というのは、2日間乗り放題というのではなく、
1回あたり30分未満の利用は無料で、
30分を超えると
31分から60分ごとに200円、
61分から30分ごとに500円の利用料が掛るとのこと。

そんなのwebサイトのどこに書いてた!?って感じ。
そんな大事な情報ならもっとわかりやすく書かないとダメでしょうと
半ばキレ気味にサポートセンターの人に伝えると
「今回に限り利用料は免除するので、次回以降気をつけてください」と。

いやいや…。

ちなみに駅のリーフレットでみかけた “1日350円”というのは、
提携施設でカードを買うことで利用できるのだそう。

あとから調べてみると、
オフィシャルサイトより、他の人が作ったサイトの方がよっぽど説明がわかりやすい。
https://toyamatome.com/cyclocity/

この自転車があったおかげで、出会えた風景もたくさんあるので、
もちろんとても感謝はしています。

そして、最初に利用方法さえきちんと理解していたら
とても便利なサービスだと思います。

街中で自転車に載って信号待ちをしていると、
何人かの方に「この自転車ってどうやって借りるの?」と尋ねられました。
それだけ興味を持っている人はいるのに、
利用方法の案内がわかりづらいということだと思います。

オフィシャルサイトの整備や、サポートセンターの営業時間など、
もう少し改善されて、より多くの人に開かれたサービスになるといいのにと、思います。

富山の旅で、唯一腹立たしい思いをしたできごとでした。

中嶋

自分好みの店を見つける“鼻”は割とよく利く方です。
そして、食いしん坊で食い意地がはっているため
「絶対に不味いものを食べたくない」という思いが人一倍強く、
ピンとくるお店がみつかるまで、ねばり強く町を歩いて探します。

観光客でにぎわう富山駅前から歩いて十数分。
ふと気になって足を踏み入れた路地裏にある一軒のお店の
店頭に掲げられた手書きの看板に目が留まりました。

お客様へ
当店は居酒屋ですので
お酒を飲めない方や飲まない方、
そしてラーメンだけの方をお断りさせて頂きます。
ご了承ください。 店主

「これは..私は呼ばれている!」と感じ、店のドアを思い切って開けました。

小さな店内は、
L字型のカウンターが配置されていて、まるでスナックのよう。
そしてカウンターの端っこには常連さんらしき年配の方と、
その反対側の端には20代後半くらいの会社員っぽい男の子たちが座って
しっぽりお酒を飲んでいます。

店主さんと目があって私が開口一番に言ったのは
「おいしいお酒が飲みたいんですけど、いいですか?」…笑。

言葉数は多くはないけれども、
穏やかな雰囲気の店主の中嶋さんはあたたかく迎え入れてくれました。

壁のメニューに書かれた中嶋さんが目利きで選んだ
富山でつくられたお酒を中心に揃えられたラインナップは、
どれも興味惹かれるものばかり。

さしたる日本酒の知識も持たない私の拙い質問にも、
ひとつひとつ丁寧に答えてくれました。
中嶋さんの話を聞くことによって、
ほぼ前知識のなかった富山の酒づくりの全体像がふんわりと頭に入ってきました。

そして、お酒を愉しむためにつくられたお料理は何を食べても美味!

飲んだり食べたり中嶋さんとおしゃべりしたりするのに夢中で
ほとんど写真を撮ってないんだけれども、
この山菜の昆布〆はあまりに美味しくて、
記憶にも記録にも止めておきたくて、一眼レフで写真を撮らせてもらいました。

北前船に寄港地だった富山は
ふるくから北海道から昆布が運び込まれていました。
そんな歴史もあって、富山県は日高昆布の消費量が日本一。
そして、立山連峰など北アルプスの山々がすぐ近くにある富山の人にとっては
山菜もとても身近な食材で、こうして昆布〆にして食べることが多いのだとか。
山菜のほろ苦さと、昆布の旨味があいまった味わいは
日本酒のアテとして最高です!

こちらは、中嶋さんが自らの思いを込めて作ったお酒「純米大吟醸  中嶋」。
「袋吊り」といったもろみを入れた袋に圧力を加えず搾る贅沢な製法でつくられていて、
クリアな味わいながらも上品な香りと優しい旨みがあって、たまらない美味しさ。

ほぼ原価に近い金額で提供しているとのことで、
この中嶋が飲めるのは1回の来店で1杯だけ。

そうと知らずおかわりをお願いして
それを告げられしょんぼりしているところ、
常連のお客さんが「僕はいつでも来れるから、僕の分を彼女に」と譲ってくれました。
なんて優しくて、ありがたいこと!!!
お言葉に甘えて2杯目もいただきました。

夜も更け、8席ほどの座席は常連さんや旅行客などでいい感じの賑わいに。
そして中嶋さんのお人柄もあってか、程よい距離感でお客さん同士での会話も弾みます。

そしてなんと、
中嶋さんは「富山ブラック」の元祖と言われるお店で長年ラーメンをつくっておられたそう。
しかも、その前は東京の有名蕎麦店で料理人として勤めていた経験をお持ちなのだとか。
思うところあって、勤めていた店を辞めて自分の店をはじめたとのこと。
ラーメン店と蕎麦店での経験があるからこその、
この魅力的なメニューのライナップであることに納得です。

正直、私はラーメンにあまり興味がありません。
だから、ゴールデンウィーク中の長蛇の列に並んでまで
富山ブラックを食べることは予定していませんでした。
なのに、こんなところで「富山ブラック」の源流に出会え、
こんなに美味しいラーメンをいただけることになるとは!

中嶋さんの作る富山ブラックは、
スープに旨みがしっかりあって、
富山ブラックの特徴と言われるしょっぱさがありつつも、上品な味わいでした。
スープは蕎麦つゆの“かえし”の技術を応用して、
数日かけて ていねいに煮詰めたあと、しばらく熟成させて作られているそう。
なので蕎麦好きの私も、とてもおいしく愉しむことができました。

ふぅ、お腹いっぱい!
素晴らしい旅の出会いのおかげで、心もとっても満たされました。

今回はことさら自分の食い意地とよく利く鼻を褒めてあげたいと思いました。

そして、中嶋さんのお店のことを思うと、
またすぐにでも富山に行きたくなるのです。

中嶋
富山県富山市内幸町2-10 松よしビル 1F
076-441-1124
https://tabelog.com/toyama/A1601/A160101/16006469/

© 2019 Pecograph. All rights reserved.